そうして、消えても。


もしも、貴方が。

私にだけ、歌い、紡ぎ、奏で、描き。
私の、言の葉で構築されたこの世界を、貴方の言葉で塗り替えてくれるのなら。

私は、貴方に溺れ、埋もれ、その他凡てを、手放すだろう。

膨大で、濃密な。

貴方の、貴方だけの、それを、私だけに刻んでくれるのなら。
過去を、現在を、全て、総て、凡て。







雨が、降る。

貴方に重ねた、雨が、降る。




10/07 12:51 | 宛名の無い手紙 | CM:0
月の夜。


貴方の手が、此処に在ればと。
そう希えど、遠く、遠く、遠い。

視線の先には、愛すべき季節。
夢の先には、酷薄な、現の残像。




揺らぎ、揺らぐ。
貴方が、過去を忘れた振りをするなら。
私もまた、そのように。

揺られ、揺れる。
貴方が、過ちを背負うのならば。
私はそう、刻んで、微笑む。




存在しない歌を、奏でるように。
熱情を撫で、ただ、ただ、貴方を。

視線の先には、愛すべき季節。
此処で、今宵も、残像と舞う。





10/05 12:56 | 白い月 | CM:0
掘り返しては、また埋める。


何も、全て、何一つ。
夢の花弁、雨の名残、風の余韻。
寂寥に負けて、溢した言葉。
貴方には、届かない。


欲しいものは、欲しがったまま。
必要なものは、もう、要らない。
貴方は、いない。
いないのだと、事実を無視して、言い聞かせても。


月の満ち欠け、陽の昇り降り。
貴方の居場所は、何処だろう。
残したままの想い出は、色も褪せずに生々しい。
記憶は薄れて、壊れていくのに。


貴方も、私を忘れるのだろう。
それを願った筈なのに、これは、私の咎だろう。
寂寥に負けて、殺したものは。
もう、誰にも、見付けられない。




10/02 12:56 | 重ねる言の葉 | CM:0
沈み、静かに。



蟲の声、秋の隙間を埋める。

理由を問われれば、寂寥、と。

誤りと知りながら、過つ愚行。

思うのは、想うのは、愚考。



無音の世界と、愛すべき季節の狭間。

誰にも届かず、触れられない。

誰にも届かず、触れられない。





09/29 12:56 | 散らす花弁 | CM:0
想う、形は。


想像だけの、日々。
手触りは、克明。
現実よりも、ざらり、ざらりと。


唇に、花が咲く。
芋虫が、それを食む。
種は残らず、枯れて、朽ちる。


待つ、と、言った。
当て等、在ろう筈も無い。
ざらり、ざらり、擦り切れるだけ。


血の味は、妄想か。
痛みは、空想か。
鮮明で、生々しく、香さえ、しても。


手を、伸ばすのは。
貴方もまた、同じだから、と。
例えそれが想像だけでも、どうか、そう、願わせて。



09/27 12:55 | 夜の雨 | CM:0
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